2008-10-30

上京建築行脚-8 Peter Zumthor & Tadao Ando


今回の上京の目的は、Peter Zumthor氏の世界文化賞受賞記念講演会への参加。
実はblogに書いてた東京大学の講演会とは別に日本美術協会主催の講演会があり、そちらに参加してまいりました。
東大のほうは授業の一環とのことで混乱が予想されたので、入場者限定(抽選)の協会主催講演会のみに参加。

と、その前に。。。
まだ講演会まで少し時間があったので、講演会会場近くのギャラリー・間で開催されていた安藤忠雄氏の個展「挑戦-原点から-」へ。
そしてここで宇野友明さんと合流。

今や建築業界以外の方にも名前が知れ渡っている安藤氏。
ここでは氏の出世作となった住宅の原寸大模型が展示されておりました。
安藤さんの建築も好きで色々と見て回っているのだけれど、住宅は外から眺めることしか出来ないわけで。
原寸大の空間に身を置くことで、安藤さんがその当時にかけていた建築への情熱が垣間見えた気がしました。
最近は大きなプロジェクトが多く(表参道ヒルズとかね)、氏の思いが建物から伝わらなくなってきていたと個人的に感じていたところ。
でもやっぱり建築が大好きな人なんだよね。

実はここでサプライズ。なんと安藤忠雄 本人の登場。
個展に合わせて時々、ギャラリートークと称した講演をしているみたい。
ふむふむと聴講しながら周りを見渡すとすぐ目の前に有名人が・・・。
なんと好きな建築家の一人、中村好文さん。(この方の話題は、またそのうち)
もちろん講演中なので声を掛けることも出来ず、そしてズントー講演の時間も迫ってきたので後ろ髪を引かれつつ途中退場して会場へ。

さてさて、前置きが長くなってしまったけれど、ようやく本題のPeter Zumthor講演。
普通こういった公式の講演会だと、最初に主催者の挨拶があって・・・講演者の紹介があって・・・と一連の議事進行が用意されているんだろうけれど、今回はズントー氏の意向で最初から最後まで彼自身による独演。

まず彼が最近インスピレーションを受けたという現代音楽が紹介された。
なんだろう。自分のつたない文章力では表現出来ない、シンプルだけれど奥の深い音楽。
「この音楽家と自分は手法が同じ。建築に使われる素材や形は、音楽に例えると異なる音程・楽器である。これらを組み合わせて曲を作るように、建築を作り出します」と。
その時点で氏の世界に引き込まれているのが自分でも分かる。

その後、スライドを用いて自邸の紹介や作品、そしてプロジェクトの紹介。
時々ユーモアを交えながら話す姿には、「世界文化賞だ。すごいだろ。」なんて気概は少しも感じさせず。
自分が彼に惹かれるのは「誰にも媚びない」という姿だと思う。
雑誌に載った時に見栄えが良いか?流行に乗っているか?世間の大多数はどう思うか?・・・そんな事はおそらく全く考えていないんだろうと。
ただ一つ・・・その土地にはどんな建物がふさわしいか?・・・それだけ。
今回の2日間で色々な建物を見、そして話を聞いて一番染みこんだのは、これに尽きると思うのです。
『土地に愛される建物づくり』と個人的に解釈した次第。

「早くビール飲みたいから質疑応答は無しね(笑)」という氏の言葉で終わった、今後の自分の建築への取り組み方を考えさせられた濃密な時間でございました。
いつかはズントー氏の境地にたどり着けるのだろうか。


さて、長らく続いた上京建築行脚日記はこれでオシマイ。
やっぱり建築は面白い!!

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